資格勉強

中小企業診断士 企業経営理論まとめ①

投稿日:2019年4月21日 更新日:

企業意義

企業は一定の目的のために、製品・サービスを継続的に生産・供給する協同システム」である。また企業は、株主、競争相手、消費者、地域住民などの外部環境との相互作用によって存続している。

黄色マーカの部分はステークホルダーのこと。

・オープンシステム・・企業が外部環境(ステークホルダーなど)との相互作用によって存続しているシステムのことを指す。

・ゴーイングコンサーン・・継続性をもって事業活動を営む企業のことをいい、継続企業ともいう。(企業活動は永続するものとする企業会計の重要な仮定。)

・第三セクター・・出資と経営が、私人と国または地方公共団体との共同によって行われる公私混同との共同によって行われる公私混同企業の形態の1つ。

 

経営ビジョン

企業ビジョンの策定にあたっては、将来の企業の姿がイメージできる分かりやすい表現にすること。また、経営ビジョンを策定することで、それが組織内で新党すれば従業員に判断のベースが提供されることとなる。

経営ビジョンと企業ドメインの連動性は求められてはいるが、必ずしも表現が同一である必要はない。また、社会的責任を意識した経営ビジョンであることが望ましいことは事実であるが、必ずしもそれが要件となるわけではない。

経営ビジョンと経営理念とほぼ同じ概念であり、①モチベーションのベース(社員の意欲をかきたてる夢を提供する)、②判断のベース、③コミュニケーションのベースを提供する役割があるとされる。

経営理念を前提として具体的にどうなっていたいかを明示したものが経営ビジョンである。経営ビジョンとは、企業の目的や使命、実現・提供すべき企業価値などの「将来のあるべき姿」を明らかにしたものである。

高慢な言葉で表した使命と社会的責任を必ず盛り込まなければならないということはない。あくまで社内外に浸透されるものであることが優先される。また、社員に対して示される社是や社訓とは異なり、経営ビジョンは社内外に示されるべきものである。よって社是や社訓と同一の表現をとる必要はない。

ドメイン

1.ドメインは、企業のアイデンティティを規定することに貢献し、どの領域で事業活動を行うかを示すものである。(アイデンティティは同一性、基本的性格などと訳され、企業のアイデンティティとは企業の特徴や個性のこと)

ドメインとは事業領域のことで、これを定めることはアイデンティティを規定することに貢献する。

2.ドメインの範囲が狭すぎると、多くの顧客ニーズには応えにくくなるが、経営資源の集中的な活用が可能になる。

ドメインの範囲が狭いということは、取り扱っているサービスが少ない可能性が高い。よって多くの顧客のニーズには応えにくくなる。また特定の事業への集中度が高くなるため、相対的に経営資源を集中的に活用できる可能性が高くなる。

3.ドメインは必要に応じて変化させていくことが必要であるが、頻繁に変化させるものではない。また特に機能的に定義する際などは現在の事業内容だけでなく、将来の発展可能性も含んだ形で設定するのが通常であるため、現在の事業内容を忠実に表現するというものでもない。

4.ドメインを物理的に定義した場合、現在の事業内容とは異なる戦略や、組織の抜本的な変革が生まれにくくなる。

物理的定義とは商品やサービスを軸にドメインを定義すること

例)映画館が自らの事業を「映画上映」とする。

5.ドメインを機能的に定義した場合、自社の事業内容についての従業員の理解が明確になる工夫をする必要性が高くなる。(事業内容が抽象的になるため)

機能的定義とは商品やサービスが提供する機能や価値を軸にドメインを定義すること
例)映画館が自らの事業を「エンターテイメント」とする。

※製品やサービスはいずれ陳腐化してしまうため、環境変化に対応しやすい機能的定義を行うことが望ましい

企業ドメイン

1.まずは基本理念やビジョンを踏まえて中長期の広範囲なドメインを設定した上で、環境分析を踏まえて注力する範囲を絞りこみ、ドメインを見直すというように、2つの側面を考慮しながら、適切なドメインを設定していく。またドメインは組織内外のコンセンサス(ドメイン)

競争優位性

社の経営を安定化させ、恒常的に利益を上げられるような体制を確立するためには、競合他社にはまねできない競争優位性を持つことが必要になります。競争優位性を持っている会社は、独自のビジネス展開が可能になるため、競争が優位になるとともにマーケットをリードする存在になることが可能となるのです。

実際に競争優位にたつためにはどうすればいいのか。

1.独自技術の獲得

代替え品がないということでもアドバンテージだが、ライセンスとして認可されることで権利ビジネスも行うことができる。

2.製品の差別化

競合する他社製品と差別化を図ることで競争優位性を獲得し、市場における影響力を増幅させていけます。技術的優位と異なる点は、製品の性能や機能そのものではなく、デザインやイメージといった点で競争優位性の獲得を目指す点にあります。差別化戦略が大きな意味を持つのは、新たな技術開発が望めないような製品や、技術的優位が直接、競争優位性に結びつかないケースです。

コアコンピタンス・・『顧客に対して、他社には提供できないような利益もたらすことのできる、企業内部に秘められた独自のスキルや技術の集合体』

①顧客に何らかの利益をもたらす自社能力

②競合相手に真似されにくい自社能力

③複数の商品・市場に推進できる自社能力

成功している企業の風土や文化といった無形のものは、どのようにすれば獲得できるか不明確であり、そもそも模倣することが困難である。また、仮に獲得できるにしても多大な時間や労力を要する可能性が高く、獲得コストに関しても大きくなる可能性が高い。

特許を取得することは法的に他者の模倣を制限することになるため、有効な手段となりえる。ただし、その一方で特許を取得したことは公開されるため、ライバル企業がその技術の存在や内容を知りやすくなる。なお、特許取得に伴う公開によって、アジアなどの国々で日本企業の高度なノウハウが流出している点が問題視されている。

■企業の持続的な競争優位性をもららす経営資源の条件を考えるものとして、VRIO分析がある。VRIO分析とは以下4つの点から自社の経営資源を分析する手法である。

1.資源の価値 Value

その資源・能力があれば事業機会を逃さず脅威にうまく対応できるのか。

2.資源の希少性 Rarity

競争相手のうち何社が、その価値ある資源・能力をすでに保有しているのか。

3.資源の模倣困難性 Imitability

その資源を持っていない企業がその資源を獲得・開発しようとすると、コスト面で不利が生じているのか。

4.組織 Organization

資源・能力の潜在力を十分に引き出し、活用するように企業は組織されているか。

 

・因果関係の不明性

なぜ競争優位が築けているかが社員にとっても不明確であるとは、どの経営資源によって競争優位を築けているのかがわかりにくいということ。このような状況では他社にとっても一層不明確であるため、模倣困難性が高くなり競争優位の持続性が高くなる。

・競争が激しくなる前の段階で獲得していた場合、他社と比較してコスト面で優位に立てる可能性が高い。業界内で有用性が認められていない状況では、競争が激しくないため、比較的低コストで獲得することができる可能性が高いため。

外部環境分析

外部環境分析とは、企業が直面する外部環境について、

機会 Opportunityとなる要因

脅威 Threatとなる要因

を識別することである。

具体的には、

経済的環境や人口動態的環境などのマクロ的回部環境と

製品市場といったやや狭い範囲でのミクロ的外部環境を分析する。

内部環境分析

企業の経営資源について

強み Strength

弱み Weakness

を分析することである。

SWOT分析

外部環境と内部環境分析を行う。

同じ産業内の企業であっても、差別化戦略、コストリーダシップ戦略、集中戦略といった選択肢があり、その結果、経営資源の質や量に違いがある。よって事業機会の解釈や認識の仕方も異なる。

長年にわたって蓄積してきた経営資源上の強みが、技術革新や顧客ニーズの変化といった外部環境の変化の結果、薄れてしまう場合も多い。その結果、経営資源上の強みがかえって足かせとなり、重要な事業機会やリスクを見落としてしまうことがある。

競争環境の分析にあたっては、同業者のみならず、新規参入企業や代替品の出現の可能性(これらが重要な事業場の脅威となる)を考慮する必要がある。

技術ノウハウやスキル、ブランド力などの情報的経営資源は他の経営資源(人、金、物)と比べて市場からの調達可能性が難しいく(入手困難な貴重な経営資源)、競争優位の源泉となり得る。よって、事業機会や脅威の分析の際にも重要視する。

 

経営計画

経営計画とは「誰が」「いつ」「何を」行うかを特定化した、企業で
策定される諸計画である。

1.会社の目的には、利益の獲得のみならず、社会的貢献や
雇用確保などさまざまなものが含まれる。
よって、利益目標を明確に示すだけでよいわけではない。

2.会社組織は、株主のみならず、従業員や顧客、サプライヤーなど
さまざまな利害関係者から構成される。
よって、法的には「会社は株主のもの」は正しいが、違和感がある。
また、配当構成のみならず債務の支払いなど、利害関係者に対して
さまざまなものを示す必要がある。
(高い配当性向を第一義的に明治すべきであるとはいえない)

3.経営計画を策定するにあたっては、トップと各部門の間ですり合わせを
行うことはあるが、基本的な流れとしては全社計画を策定した上で、
それに沿う形で各部門が計画を策定していくというのが一般的。

4.PDCAサイクルを進めるにあたっては、
精度の高い計画(Plan)を策定した上で、
組織構成員の動機づけを図り、指揮・命令することによって
実行(do)していくことになる。

また、実行結果を評価(check)し、
必要に応じて修正(action)し、
次の計画(plan)へと活かしていく。

5.経営企画部門が厳格に管理をおこなってしまうと、現場の状況と
かい離した指示になってしまう可能性が高く、現場に不信感が生じかねない。
また、経営企画部門はスタッフ部門であり、
公式な形での指揮命令権は保持していないことが一般的であり、
命令統一性の原則に反することにもなる。

6.長期の経営企画は、企業の理念やビジョンとの整合性が高いもの
である必要があるが、環境の不確実性の高い状況においては陳腐化したり、
策定時点では予期しなかった事象が起こったりする可能性も高い。

よって、状況に応じて変更していくことが必要になる。

7.コンティンジェンシープランとは、不測の事態が生じるなどに
よって正規の計画が機能しなくなった場合のために、
事前に用意しておく第2の計画のこと。

しかしながら当然策定するにはコストや時間を要するため、実際に
策定しておくかどうかは、不測の事態が生じた場合の損失のインパクトや
その発生確率などとの比較の上で判断する必要がある。

アンゾフの成長ベクトル

製品・サービス
既存 新規
市場 既存 市場浸透 新製品開発
新規 新市場開発 多角化

<成長ベクトル>

【市場浸透戦略】

現在の製品で、現在の市場におけるシェアや売上の拡大を目指す戦略です。

具体的な施策の一例を挙げれば、利用頻度の向上、使用量・購入量の拡大、客数向上、単価向上などが考えられます。

 

【新製品開発戦略】

現在展開している市場において、新しい製品を投入することで成長を図ろうとする戦略です。

製品ミックスの幅や深さの拡大(新しい製品ラインの導入・新ブランドの投入や新しいグレードの投入など)、モデルチェンジなどが該当します。

1.新規開発戦略では既存の市場に対して新製品を投入していくため、新たな顧客獲得を目的に実施していくわけではない。

2.男性向けスーツと女性向けスーツを異なる製品(新製品)ととらえるかどうかは判断が難しいが、男性向けと女性向けであり、対象となる市場が異なる。

新製品開発戦略は既存市場に対して新製品を投入していく戦略である。

3.既存の製品にこれまでにない新たな機能を追加することによってモデルチェンジすることは、新製品の投入と考えることができる。

また、新製品開発戦略においては、既存市場において既存製品は購入していなかった顧客を獲得するとともに、既存製品を利用している顧客の買い替え需要を喚起していくことも狙い。

 

【新市場開発戦略】

既存の製品を新しい市場に投入することでの成長を目指す戦略です。

製品の新たな開発コストがかからない分効率的な面がありますが、その反面新たなチャネル開拓にコストがかかります。一例を挙げれば、海外進出等の新しい地理的セグメントへの進出や、若者向けの商品をミセス層へ販売するといった新しい顧客ターゲット・セグメントへの進出などが該当します。

 

【多角化戦略】

新製品を新しい市場に投入する戦略です。

多角化戦略は新たな製品・市場分野に進出することであり、市場浸透戦略をはじめとする拡大戦略と比べ、リスクが高いといわれている。そのような中で企業が多角化戦略を展開する理由としては、組織スラック(余剰資源)の活用、新しい事業分野の認識、主要事業の停滞、リスクの分散、シナジー効果などが挙げられる。

1.多角化戦略の展開により複数の事業を営むことによって、ある特定の事業の業績が悪化しても、他の事業によってそれをカバーすることができるという、リスクの分散が図れるためである。

2.外部環境の変化に対応して、新しい事業分野を認識して成長をねらったり、今まで主力であった事業分野が停滞しはじめた場合に新しい事業分野への進出を考慮するためである。

3.無関連多角化を採用すれば、衰退した既存製品と成長が鈍化した既存市場との関係を断ち切る事業を行うことにはなるが、リスクが大きい戦略となる。

4.既存事業と新事業の間の資源転換において何らかの共通点がある関連多角化の展開理由。

(多角化戦略を展開する理由は、複数事業間での経営資源の共有・補完によるシナジー効果を得るため)

アンゾフは多角化をさらに4つに分類しています。

<4つの多角化戦略>

 

【水平型多角化】

現在とほぼ同じターゲット顧客で、新しい製品カテゴリーに進出。

 

【垂直型多角化】

バリュー・チェーンにおける川上もしくは川下で、内製化していなかった部分に参入。

 

【集中型多角化】

既存製品と新規製品を関連付けることで新市場に進出。

 

【集成型多角化】

現在の製品市場と関連性のない新規事業に進出。

 

PPM(Product Portfolio Management)

↑高 花形 問題児
市場成長率 金のなる木 負け犬
↓低 ←高 市場占有率 低→

市場成長率の計算方法

市場成長率 = 今年の市場規模 ÷ 昨年の市場規模

※市場規模とは、ある事業分野における市場の大きさ。その市場で商取引が行われる見込みの総額。

市場占有率の計算方法

市場占有率 = 事業部の売上高 ÷ 市場規模

1.金のなる木

市場拡大を見込めないため、資金の追加が不要で、市場占有率の高さから安定的な売上・利益を確保することができる。製品ライフサイクルにおける、成熟期から衰退期にあたる。

資金流入が多く、流出が少ないため、CF源となる。ここで獲得したキャッシュを「花形」や「問題児」、さらには研究開発に投資する。

2.花形

成長率、占有率ともに高いため、売上・利益を多く獲得することができる。この分野では競合他社が多く存在しており、占有率保持と拡大のため継続して資金を投入する必要がある。

占有率を維持できていれば、いずれ「金のなる木」へ変化し、維持できないと「負け犬」になってしまう。

資金流入、流出ともの多く、まだCF源とまではならない。

3.問題児

成長率は高いが、占有率が低い事業を問題児といい、将来花形商品へと進化する可能性を秘めている。この象限にある事業には、成長のために多額の投資が必要となる。

成長率が下がってきてしまうと、「負け犬」になってしまうため、投資判断も難しい。製品ライフサイクルの導入期〜成長期に登場するのが「問題児」

資金流出が多く資金流入が少ないため、CFはマイナスとなる。

4.負け犬

成長も市場占有の拡大も見込めない事業のことを「負け犬」と言う。キャッシュの流入が見込めず、今後の成長もないため撤退を検討する必要があると言える。製品ライフサイクルの成熟期〜衰退期に現れる。

PPMにおける4つの戦略

1.維持戦略

主に金のなる木、花形産業で利用する戦略で、キャッシュの安定化のために投資を行う。

2.収穫戦略

金のなる木、問題児、負け犬で利用する戦略で、今後の成長を考えず、投資をしないで、キャッシュフローを獲得していく。

3.拡大戦略

主に問題児で利用する戦略で、問題児に対して成長のための投資を積極的に行い、花形商品への昇華を目指す。

4.撤退戦略

問題児や負け犬で利用する戦略で、事業売却を行っていく。

ポートフォリオ効果

複数事業を展開している場合に、特定の事業の業績が悪化したとしても他の事業でその分をカバーできる効果のこと。

よって、事業間の関連が深い場合には、同じタイミングで業績が低調になる可能性が高いため、原則的にはポートフォリオ効果は関連性の低い事業や製品間において得られることになる

製品ライフサイクル(PLC)

製品ライフサイクルは、通常「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4段階に分類される。

1.導入期

新製品が開発され、初めて市場に投入される次期

・売上高は低い状態にある一方、需要拡大のたmに多額の広告宣伝費や営業費用などが必要となるため、利益はマイナスとなる。

・生産量が少ないため、経験曲線効果など大量生産のメリットを活かすことができない。

・導入期の顧客は新製品に関心の高い革新的な人々であるが、その数はまだ少数である。

・同業他社はまだ新製品の開発段階である場合が多く、市場に投入される強豪製品は少ない。

2.成長期

製品が消費者に認知され、市場が浸透してくる時期

・競争に勝つため多額のPR費用が必要となるが、売上高の上昇にともなって利益はプラスに転じ、徐々に増大していく。

・同時に競合企業との価格競争も発生するため、製品価格もコストの低下とともに低下していく。

・新製品を比較的早期に購入したいと考える層が顧客となり、次第に顧客数が増加していく。

・多くの競合企業が市場に参入するとともに需要が拡大し、市場規模が成長していく。

3.成熟期

製品がある程度市場に浸透し、需要が一段落する時期

・売上高が高い状態で推移するとともに投資額が少なくなるため、利益が最大水準となる。

・競争状態が緩和し、価格の下げ止まりが見られる。また、大量生産と熟練により、コストも低いレベルで推移する。

・新製品の購入に保守的な層が顧客の中心となり、その数は安定的に推移する。

・成熟期では、競争に敗れた企業が撤退するとともに、経験曲線や規模の経済性などが参入障壁となり、新規参入企業が増加せず、競合企業の数は減少する。

4.衰退期

製品の魅力が薄れ、需要が減少していく時期

・売上高の減少にともない固定費の比率が上昇し、利益が減少する。

・コスト、製品価格ともに低い状態で推移する。

・顧客層は低価格志向の顧客が中心となる。顧客数は全体として減少し、市場規模は次第に縮小する。

・一部のリーダー企業を除き、収益を上げることが困難になることから、市場から退出する企業が増加する。

経験曲線効果

製品の累積生産量が増加するにしたがい、製品1単位当たりの生産コストが減少するという生産量とコストの関係を示すものである。経験を重ねることによる作業者の熟練、生産工程や生産設備の改善などにより、経験曲線効果が得られると考えられている。

習熟や改善が進むとともに生み出されるものであるため、必ずしも熟練技能者を多く抱えている企業において効果を拡大する余地が大きいわけではない。まだ熟練していない技能者は技術が向上する余地も多く、作業の効率化によるコスト削減が進む可能性は大きい。

規模の経済性

生産規模の拡大につれて、製品1単位当たりの生産コストが一定の割合で減少する。

規模の経済性が発生する理由は、企業のコスト構造における固定費の存在である。

つまり、多く作ればその分、1個あたりの固定費は安いでしょという考え。

範囲の経済性

複数の事業で活用が可能な資源を1つの事業で用いるのではなく、複数の事業で用いたとしても追加的な費用は生じないことによって得られる。その効果は、一般的には物的資源よりも情報的資源によるもののほうが大きくなる。例えば、ノウハウや顧客情報といった情報的資源は使っても減らず、また同時に利用することが可能だからである。

スイッチングコスト

消費者がある製品カテゴリーにおいて使用するブランドを、AからBにスイッチする際に生じるコスト(手間や負担)のことである。

たとえば、使いこなすまでに覚えることが多い製品であれば仮に機能に優れた類似製品が売り出されたからといって、頻繁に買い替えるという行動はしにくくなる。よって、このような製品を取り扱う業界の場合には、早期に顧客を囲い込むことは、その後、後発で他社が参入してきたとしても顧客が離反する可能性が低いため、有効性が高くなる。

ポーターの5つの競争要因

競争構造を分析する前提として、ポーターは、特定の事業分野における競争状態を決定する5つの要因を挙げている。

1.既存業者間の敵対関係

2.新規参入企業の脅威

3.売り手の交渉力

4.買い手の交渉力

5.代替品の脅威

これらの要因を分析することを通して、業界の収益構造や競争の鍵を発見したり、将来の競争の変化を予測できるとしている。

1の既存業者間の敵対関係は、主に

①同業者が多い

②似通った企業が競争している

業界の成長が遅い

固定コストまたは在庫コストが高い

⑤製品を差別化するポイントがない

⑥撤退障壁が高い

と激化する傾向にある。

④は在庫コストや在庫リスクが高いと、企業は生産した製品を売りさばこうとするので低価格販売に拍車がかかることになる。

③は業界の成長が遅い(市場がもはや拡大しない)、あるいは市場規模が縮小傾向にあると、市場シェア拡大に努める企業間のシェア争奪戦を引き起こし、価格競争に繋がるか構成が高まる。

逆に成長速度が速ければ、業界他社と同一歩調をとるだけで収益が確保できる可能性が高くなる。

⑥操業にあたって巨額の専用設備が必要な業界とは、すなわち撤退障壁が高い業界である。よって既存の参加企業はその業界に留まらざるを得ず(自主的な退出が促されず業界内の新人退社が進まない)、激しい過当競争が展開されるようになる。

2の新規参入企業に対する戦略として、参入障壁を築くことがあげられる。

参入障壁の具体例として

①規模の経済性

②製品差別化

既存企業のプロモーション活動により、その企業のブランドや製品が顧客に確固たるブランドロイヤリティを形成させている場合、新規参入業者はそれを上回る広告宣伝投資を行う必要があり、これが参入障壁となる。

③巨額の投資

④流通チャネル

⑤独占的な製品技術

⑥経験曲線

⑦政府の政策

等がある。

競争戦略

ポーターは、競争戦略として以下の3つの基本戦略を示している。

1.コストリーダーシップ戦略

他社よりも低いコストで生産していく戦略である、なお、低コストで生産するため、低価格設定にしやすく、実際にそのような戦略を取ることは可能だが、あくまでも低コストであり、必ず低価格の設定にするものではない。

2.差別化戦略

差別化の要素は、競合他社に対して、価格以外の面で優位性を築くものすべてを含む。よって、製品そのものの機能面などだけでなく、、テレビCM あどの広告・宣伝によって他社と差異を打ち出していくといったことも含まれる。

3.集中戦略

市場の中のある種特殊なニーズに対応していくため、対象市場は限定されたちいさいものとなることが多い。そのため、大量に生産する能力がある業界の大手企業にとっては、かえって参入しにくくなることがある。しかしながら、顧客ニーズの変化や競合他社の製品開発などによって、他のセグメントとの差異がなくなってくると、対象としている市場規模が元々おおきくないため、独占的な収益を獲得することが困難となる。

 

ちなみにチャレンジャーの戦略は、リーダーが採用したくてもイメージや名声維持のためにとれないような差別化を図ることが有効である。これはリーダーの蓄積してきた資産を負債にしてしまうような戦略と言い換えることができる。

自社の競争優位は買い手サイドの価値連鎖において自社及び自社製品が果たす役割の大きさに依存するため、業界全体の価値連鎖(価値システム)を分析し、それに自社の価値連鎖を適合させることが有効となる。

部品の標準化や製品工程の継続的な改善は、直接的には低コスト化のために行うものである(つまりコストリーダーシップ戦略を有効に機能させるための方策である)

自社の能力に適合した一部の市場(市場セグメント)に特化することで(集中戦略)経営の効率化が図れる。ただし元々市場としての規模が大きくないため、大手企業など他企業がその市場に参入すると自社の事業基盤を喪失するリスクがある(市場リスクの分散は不可能)

リーダー企業の戦略

リーダー企業の戦略定石としては、

①周辺需要拡大政策

朝・夜だけ歯を磨く人が多かったとすれば、「毎食後、歯を磨こう」というキャンペーンを打てば、歯磨き粉の消費量は1.5倍に増える(市場の規模が1.5倍に拡大する)。

この場合、既存市場のシェアに応じた需要を新たに獲得できる可能性が高く、大きな市場シェアを占めるリーダー企業は大きく売上を伸ばすことができる。

②同質化政策

一般的にリーダー企業はチャレンジャー企業がとってきた差別化戦略に対して、相対的に優位な経営資源によってそれらを模倣・追従し、その差別化を無効にしてしまう「同質化政策」をとる。

③非価格対応

業界が低価格競争に巻き込まれると、最も利益が幻想するのは市場シェアが最も大きいリーダー企業であるため、原則「非価格対応」がリーダー企業の戦略の定石である。

ただし、低価格攻勢の結果、大幅な市場シェアを奪取できる場合(市場シェアの拡大による収益の増大が販売価格の低下による収益のマイナスを打ち消すに余りある場合)や下位企業の低価格に追従しないと大幅に市場シェアを低下させてしまう場合には、この限りではない。

④最適シェアの維持

競争地位別戦略

1.リーダー企業

その業界においてもっとも市場シェアを有している。そのため、業界としての低価格化が進むと、もっとも利益が減少するのはリーダー企業ということになる。そのため、原則的には非価格対応(値下げに応じない)を取ることになる

2.チャレンジャー企業

リーダー企業との差別化を図ることで市場シェアを高め、リーダー企業の地位を奪いとることを志向していく。逆にリーダー企業はチャレンジャー企業が取った差別化戦略を模倣し、差別化を無効にする「同質化政策」を取る。

3.フォロワー企業

リーダー企業には挑戦せずに、市場に生き残るために必要な利益を確保していく戦略を採用し、そのメインターゲットは低価格帯を志向する顧客とする。

4.ニッチャー企業

特定の市場ターゲットを限定し、その市場の中で地位や名声を獲得していく。この戦略を採用するのは、経営資源がさほど豊富でない企業が多く、ニッチャー企業が業界の周辺需要を拡大していくケースは少ない。また、周辺需要を拡大すると、リーダーとの境界があいまいになり、競争に巻き込まれる可能性もある。よって、通常はリーダー企業が豊富な経営資源を用いて実施することになる。

周辺需要拡大戦略とは・・・リーダーが常に市場全体を見渡し、新使用者の開拓や新用途の発見などを行ってチャレンジャーの追い上げるエリアをことごとく押さえていく戦略

競争地位 目標 戦略定石 市場ターゲット
リーダー 最大シェア
最大利潤
名声
周辺需要拡大
非価格
同質化
全方位
チャレンジャー シェア拡大 差別化
※リーダーがやりたくてもできないことをやる
セミカバー
フォロワー 生存利潤 模倣 低価格・低収益の市場
ニッチャー 高収益
イメージ
名声
特定セグメントでのリーダー 特定の市場

 

先発ブランドのメリット

・消費者の心の中に「参入障壁」を形成できる(強力なブランド連想を構築できる)

・早期に経験曲線効果を実現できる

・利用者の生の声をいつ早く得られる

・価格に無頓着なイノベーター層を取り込める

・最も有利な市場ポジションを先取りできる

・製品の規格(デファクトスタンダード)を決定しやすい

・製品の切り替えコストの発生を利用できる

・希少資源(優秀な人材、希少天然資源、有利な立地など)を先取りできる

-資格勉強

Copyright© 花咲く田舎Life , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.